海外在住者が実家を効率よく片付けるには?業者を利用する方法も解説
海外在住者にとって、日本にある高齢の親の実家の片付けは、大きな悩みの一つです。親の高齢化に伴い、安全に暮らせる住環境の確保や、将来の介護・相続対策を見据えた早めの対応が必要になります。
しかし、一時帰国できる回数や滞在期間は限られているため、思うように進まないことも少なくありません。そこで、この記事では、海外在住者が実家を効率よく片付けるための手順や、専門業者を利用する方法と選び方について詳しく解説します。
- 実家の片付けは、親が元気なうちから始めることが重要
- 一時帰国中に実家を効率よく片付けるには、計画づくりと事前準備がカギ
- 実家の片付けは、目的を明確にして段階的に進めるとスムーズ
- 実家全体の片付けや大量の不用品処分は、専門業者を活用しよう
- 実家の片付け後は、定期清掃や空き家管理での状態維持も大切
※ 本記事は、海外在住者が日本の実家を片付ける際の一般的な情報をまとめたものです。実際の片付け方法や不用品の処分ルール、利用できる行政サービス、業者の対応内容などは自治体や事業者によって異なります。最新情報は各自治体および関係機関の公式サイトでご確認ください。
早いうちに実家の片付けを進めるメリット

海外在住者にとって、実家の片付けは「いつかやらなければ」と思いながらも先送りになりがちな課題です。しかし、親が元気で判断力があるうちに片付けておけば、後々の負担を大きく減らせます。
早いうちに実家の片付けを進めるメリット
- 親の意思を確認しながら作業できる
- 安心で安全な住環境の確保
- 家財整理の負担分散
- 相続時のトラブルを防ぎやすい
親の意思を確認しながら作業できる
親が元気なうちに実家の片付けを始める最大のメリットは、本人の意思を確認しながら進められることです。高齢になると体力が低下し、大量の荷物を整理する作業そのものが負担になります。
また、認知機能の低下が進むと、重要書類や貴重品の保管場所が分からなくなったり、孤独感や不安から「物を手放せない」状態になったりするケースは珍しくありません。
「次の帰国時に片付けよう」と先送りしていると、親の状態が変わってしまう可能性もあります。親が判断できるうちに必要な物・不要な物を一緒に整理しておくことが大切です。
安心で安全な住環境の確保
実家の片付けは単なる整理整頓だけではなく、親の安全を守るための重要な対策でもあります。高齢者の自宅での事故として多いのが「転倒」です。転倒による骨折が原因で、要介護になるケースも多いため、廊下や床に物が散乱している環境はリスクになります。
海外在住者は日常的に親の様子を確認できないため、帰国時に不要な家具や荷物を減らして居室を整理しておくことが重要です。片付けを進めることで、親が安心して暮らせる住環境を整えられるでしょう。
家財整理の負担分散
早い段階から実家の片付けを始めることで、家財整理の負担を軽減できます。特に海外在住者の場合、滞在期間が限られるため、少しずつ片付けを進めることがポイントです。
不用品を段階的に処分しておけば、将来的な空き家対策や実家売却の準備も進めやすくなります。親が介護施設へ入居する場合や相続が発生した場合でも、家財が整理されていれば対応がスムーズです。将来の負担を減らすためにも、早い段階での着手をおすすめします。
相続時のトラブルを防ぎやすい
相続トラブルの多くは、財産の全容が把握できていないことや、重要書類の所在が不明なことから発生します。通帳・保険証書・年金手帳といった重要書類を事前に整理しておくことで、親の財産状況を把握しやすくなり、相続手続きをスムーズに進めやすくなります。
また、兄弟姉妹がいる場合、どの財産をどう扱うかについて事前に認識を共有しておくことで、相続発生後の対立防止にもつながります。海外在住者は帰国回数が限られるため、相続発生後に慌てないよう早めに情報を整理しておくことが重要です。
海外在住者が実家の片付けで直面する課題

海外在住者が実家の片付けを進める際は、国内在住者とは異なる課題に直面します。帰国回数や滞在期間の制約に加え、高齢の親との意思疎通や業者との連携も負担になりがちです。実家を片付ける際によくある課題を把握しておけば、事前に対策が取りやすくなります。
|海外在住者が実家の片付けで直面する課題
- 十分な作業時間の確保
- 親との意見の食い違い
- 大型家具や不用品の処分
- 専門業者への依頼・対応
十分な作業時間の確保
海外在住者にとって最も大きな課題の一つが、一時帰国中に十分な作業時間を確保できないことです。帰国の目的は実家の片付けだけではなく、親族との面会や各種手続きなども重なるため、思い通りに作業が進まないケースはよくあります。
特に、実家で長年暮らしてきた場合、数日〜1週間程度の滞在ですべてを整理するのは現実的ではありません。「帰国中に片付けよう」と思っていても、実際には雑務に追われ、片付けがほとんど進まずに帰国日を迎えてしまう人も多いでしょう。
親との意見の食い違い
子どもから見れば不要に思える物でも、親にとっては長年の思い出や生活の一部である場合があります。特に高齢になると「いつか使うかもしれない」「捨てるのはもったいない」という意識が強くなり、片付けに消極的になることは珍しくありません。
海外に住む子どもに対して「自分の家のことに口を出さないでほしい」という感情が生まれ、片付けをきっかけに関係がこじれるケースもあります。滞在期間中に終わらせようと片付けを急ぐと、さらに親子間での対立が生じやすくなるので注意が必要です。
大型家具や不用品の処分
タンス・ベッド・冷蔵庫・洗濯機といった大型の家具・家電は、通常の燃えるゴミでは処分できません。自治体の粗大ゴミ収集への申込み、家電リサイクル法に基づく指定引取場所への持ち込み、あるいは不用品回収業者への依頼など、品目によって手続きが異なります。
海外在住者の場合、ルールを十分に把握できず、手続きに多くの時間がかかってしまいがちです。家電リサイクル法の対象品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)はリサイクル料の支払いが必要で、適切に手続きをしないと不法投棄になるリスクもあります。
参考:経済産業省「家電4品目の『正しい処分』早わかり」
専門業者への依頼・対応
実家の片付けでは、不用品回収や生前整理などの専門業者を利用することで作業負担を大きく減らせます。しかし、海外在住者の場合は、一時帰国の滞在期間中に業者の選定や見積もり、作業日程の調整まで行わなければなりません。
また、親と業者、子どもの三者で認識が一致していないと、「残してほしかった物が処分された」「追加料金が発生した」などのトラブルにつながる可能性もあります。海外生活が長い方は、日本の業者とのやりとりにストレスを感じる場合もあるでしょう。
一時帰国中に実家を効率よく片付けるための手順

限られた帰国期間を最大限に活かすには、「帰国してから考える」のではなく、事前の準備が不可欠です。一時帰国中に実家の片付けを効率よく進めるための具体的な手順を押さえておきましょう。
|実家を効率よく片付けるための手順
- 実家を片付ける目的を明確にする
- 事前に必要な書類・物品のリストを作成する
- 帰国前に具体的な作業計画を立てる
- 帰国後は計画に沿って作業を進める
- 作業後に片付けの記録を残しておく
実家を片付ける目的を明確にする
海外在住者が限られた滞在期間中に実家を片付けるには、まず「なぜ片付けるのか」を明確にすることが重要です。生前整理なのか、施設入居に伴う引っ越しなのか、それとも空き家管理や売却準備なのかによって、残すべき物や処分方法が大きく変わります。
生前整理
生前整理とは、本人が元気なうちに財産や持ち物を整理し、今後の生活や相続に備えることを指します。海外在住者の場合、将来的に親の介護や相続対応で頻繁に帰国することが難しいため、早めの準備が特に重要です。
通帳や保険証券、不動産関係書類といった重要書類の保管場所を確認しながら、不要な家財を少しずつ整理していくことで、将来の負担軽減につながります。親自身の意思を確認しながら進められる点も、生前整理の大きなメリットです。
生前整理は本人(親)が主体となって行う整理のこと。「何を残したいか」「誰に引き継ぎたいか」を本人が決められるため、相続トラブルの防止に有効です。また、生前整理は、親自身が今後の暮らしを見直すきっかけにもなります。
一方、遺品整理は亡くなった後に遺族が行う整理のこと。遺品整理では本人の意向を確認できないため、判断に迷うケースが少なくありません。
時間的・物理的に制約がある海外在住者は、一時帰国のタイミングで親と一緒に少しずつ「生前整理」を進めるのが望ましいでしょう。
引っ越し
親が高齢になり、子どもとの同居や高齢者向け住宅への転居を検討している場合は、引っ越しを前提とした片付けが必要になります。引っ越しが前提の場合、新居に持ち込む物を優先的に選別し、それ以外の家財を整理するのが基本です。
特に、長年住み続けた実家には、ストックしている日用品や使わなくなった家具が多いケースがよくあります。新居の間取りや収納場所を事前に確認し、新居に収まる量を基準として判断することが重要です。
空き家管理
親が介護施設に入居する場合などには、空き家のまま維持するケースも多くあります。「いずれ戻るかもしれない」「相続が決まるまで維持する」という理由から、すぐに実家を処分する決断には至らないためです。
空き家として残す場合は、建物を良好な状態で維持することが重要です。空き家は、管理が不十分だと老朽化や防犯上の問題が発生しやすくなります。海外在住者は頻繁に様子を見に行けないため、必要最低限の物以外は整理し、管理しやすい状態にすることが大切です。
参考:政府広報オンライン「空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を!」
実家の売却・解体
将来的に実家の売却または解体を検討している場合は、家財処分を早めに進めることが重要です。不動産会社による査定や売却活動を行う際、室内が整理されているほうが建物の状態を確認しやすくなります。
また、解体工事を行う場合も事前に家財の撤去が必要なため、売却・解体の日程から逆算して片付けのスケジュールを立てなければなりません。海外在住者は帰国のたびに少しずつ片付けを進め、売却や解体のタイミングに備えておくと、後から慌てずに対応できます。
事前に必要な書類・家財等のリストを作成する
海外在住者が限られた一時帰国期間で実家の片付けを進める場合、「何を確認するか」を事前に整理しておくことが重要です。帰国してから考えると、重要書類の見落としや確認漏れにつながりやすくなります。
特に高齢の親がいる場合は、将来の介護や相続、施設入居などに備えて必要な書類を把握しておくことが大切です。帰国前にチェックリストを作成し、親と共有しておけば作業効率が大きく向上するでしょう。
確認しておきたい主な書類
書類については、通帳・印鑑・権利証・保険証書・年金関係書類・エンディングノートなどを優先的にリストに加えましょう。主な書類の例は、以下の通りです。
- 預金通帳・キャッシュカード(暗証番号)
- 固定資産税納税通知書
- 不動産の権利証(登記識別情報通知)
- 生命保険・医療保険の契約書(保険証書)
- 年金関係書類
- マイナンバーカード
- 戸籍関係書類
- 遺言書やエンディングノート(作成している場合)
- 介護保険関係書類
- 証券口座や投資信託の資料
- 財産目録(作成している場合)
これらは将来の財産管理や相続手続きで必要になる可能性が高い書類です。保管場所を把握しておくだけでも大きな意味があります。
確認しておきたい主な家財・貴重品
家財や貴重品は、親と事前に話し合い「処分してよい物」をある程度決めておくと、帰国後すぐに作業に入れます。主に確認しておきたい家財や貴重品の例は、以下のとおりです。
- 貴金属や骨董品
- 印鑑(実印・銀行印)
- アルバムや写真
- 家系図や古い書類
- 思い出の品
- 高額な家電や趣味用品
- 着物や美術品
特に思い出の品は処分の判断が難しいため、親と相談しながら整理することが重要です。海外在住の子どもが独断で処分するとトラブルにつながりやすいので注意しましょう。
帰国前に具体的な作業計画を立てる
一時帰国の滞在期間は限られているため、帰国前の段階で具体的に作業計画を立てておくことが重要です。処分方法や自治体ルール、利用する業者などをあらかじめ調べておけば、片付けにかかる時間を大幅に節約できるでしょう。
物品の処分方法を調べておく
処分したい物が決まっている場合は、帰国前にその処分方法を調べておきましょう。自治体の粗大ゴミとして出せる物・家電リサイクル法の対象となる家電・リサイクルショップで売却できる物・フリマアプリで出品できる物など、それぞれ適切な処分方法は異なります。
海外在住者の場合、帰国中に処分先を探す時間は限られているため、事前に業者の候補をリストアップしておくとスムーズです。特に大量の不用品がある場合、複数の処分方法を組み合わせることで、費用を抑えながら効率的に進められるでしょう。
参考:環境省 ecojin「ごみ出しのコツをつかんで楽しく分別しよう!」
地元のごみ収集日を確認する
実家がある地域のごみ収集日は、事前に各市区町村のWebサイトで確認しておきましょう。燃えるゴミ・燃えないゴミ・資源ゴミ・粗大ゴミの回収ルールは、地域ごとに異なります。
特に粗大ゴミは事前予約制の場合が多く、申込から回収まで数週間かかることもあります。帰国前に収集日や申込方法を確認し、必要に応じて予約まで済ませておくと効率的です。帰国中の収集日に合わせて予定を組むと、ゴミ出しのタイミングを無駄にせず進められます。
自治体の制度やサービスを確認する
自治体によっては、高齢者世帯向けのごみ出し支援や、粗大ごみの搬出補助制度を設けている場合があります。地域のNPO法人が支援活動を行っている場合もあるので、「地域名+ごみ出し支援」などのワードで検索してみましょう。
海外在住者は地域情報を把握しにくいため、帰国前の段階で自治体の支援制度などを確認しておくことが重要です。利用できる制度があれば、親の負担軽減や片付け費用の削減につながる可能性があります。
参考:国立環境研究所「高齢者ごみ出し支援ガイドブック」
宅配買取サービスなどの業者を探す
まだ使える家電やブランド品、書籍などは、買取サービスを活用するのも有効です。近年は宅配買取サービスが普及しています。事前に宅配キットを取り寄せて送付すれば査定してもらえるため、店舗へ持ち込む時間がない場合は、宅配買取が便利でしょう。
海外在住者の場合、一時帰国中に効率よく整理することが重要なため、事前に利用候補の業者を調べておくのがポイントです。ただし、買取価格や対応品目は業者ごとに異なるため、複数社を比較しながら選ぶことをおすすめします。
帰国後は計画に沿って作業を進める
事前準備ができたら、一時帰国中は計画に沿って着実に作業を進めましょう。「帰国したらまず何をするか」を決めておくことで、迷いなく進められます。
大型家具や家電の処分を専門業者に申し込む
タンス・ベッド・ソファ・冷蔵庫・洗濯機といった大型家具や、冷蔵庫・洗濯機などの家電は、処分に手間と時間がかかるため、帰国後できるだけ早い段階で業者に申し込みましょう。
家電リサイクル対象品目は、販売店への引き取り依頼か指定引取場所への持ち込みが必要です。粗大ゴミがある場合は、不用品回収業者への依頼を検討しましょう。
大型品の処分が早めに完了すると、部屋のスペースが生まれ、その後の仕分け作業が格段に進めやすくなります。まず「場所を取る物」から動かすことを優先するのがおすすめです。
参考:経済産業省「家電リサイクル制度FAQ」,家電製品協会「3秒でえらべる家電の捨て方・回収依頼の方法」
片付ける順番を決めて作業を進める
片付ける部屋や物の種類に優先順位をつけることで、作業が散漫になるのを防げます。玄関や廊下など、作業しやすく成果が目に見える場所から取り組み、その後に押し入れや物置などへと進めるのがおすすめです。
物の種類で整理する場合は、衣類→書類→食器のようにジャンルを絞り、順番に片付けていきましょう。重要書類や思い出の品など時間がかかるものは、後回しにすると効率的です。
ルールを決めて処分する場合は「1年以上使っていない物」「同じ用途で重複している物」など、シンプルで判断しやすい基準を設けると迷いが減り、作業スピードが上がるでしょう。
使うモノ・捨てるモノ・一時保留の3つに分ける
物の仕分けは「使う・捨てる・一時保留」の3分類を基本にすると判断しやすくなります。迷った物や思い出の品・趣味の物はすぐに捨てず、一時保留の箱にまとめておき、後日親と一緒に確認する時間を設けましょう。
特にアルバムや手紙、趣味のコレクションなどは、短時間で判断するのが難しい場合があります。帰国期間中に判断しきれなかった物は、内容を記録したうえで次回に持ち越すことも選択肢の一つです。
片付けの主役はあくまでも「親」です。子どもが主導権を握り、親の同意なく物を処分すると信頼関係が崩れる恐れがあります。その後の片付けへの協力が得られなくなる可能性もあるため、最終的な判断は親に委ねましょう。
特に、海外在住者は帰国期間が限られているため、どうしても焦ってしまいがちです。「一緒に整理する」という姿勢を保ち「なぜ残したいのか」「なぜ処分したくないのか」を聞きながら進めれば、親も安心して協力してくれるでしょう。
作業後に片付けの記録を残しておく
実家の片付けは、作業が終わったら完了ではありません。海外在住者の場合、次回の帰国まで数か月から数年空くこともあるため、「何を整理したのか」「何が残っているのか」を記録しておくことが重要です。
記録がないと、次回帰国時に同じ場所を再確認したり、処分済みの物を探したりするなど、無駄な時間が発生する可能性があります。次回の帰国時にスムーズに作業を再開できるよう、記録を残して「情報を見える化」しておくことがポイントです。
また、高齢の親や兄弟姉妹と情報共有する際にも、記録があることで認識のズレを防ぎやすくなります。片付けの記録を残す際には、重要書類や貴重品の保管場所だけでなく、親のかかりつけ医や、近隣で頼れる親族・知人の連絡先なども併せて記録しておくと安心です。
記録を家族で共有しておけば、急な帰国が必要になった場合でも落ち着いて対応しやすくなるでしょう。
業者を利用して実家の片付けを進める方法

海外在住者の場合、帰国回数や滞在期間に限りがあるため、自力での片付けには限界があります。特に実家の売却や空き家対策、大量の家財整理が必要な場合は、専門業者を活用しましょう。業者を上手に活用すれば、一時帰国中でも効率よく実家の片付けを進められます。
|業者を利用して実家の片付けを進める方法
- 事前に親と話し合ってモノの要不要を判断
- 不用品回収・リサイクル業者の活用
- 片付けサービスの専門業者に委託
事前に親と話し合ってモノの要不要を判断
業者へ依頼する前に、まず親と十分に話し合い、何を残し何を処分するのかを整理しておくことが重要です。海外在住者の場合、帰国時にまとめて判断しようとすると時間が足りなくなるため、日頃から少しずつ確認しておくことをおすすめします。
業者は依頼内容に従って作業を進めるため、事前に伝えていなければ、親にとって大切な物が処分されてしまうトラブルが起きかねません。判断が難しい物は「保留」として業者に手をつけないよう指示しておくと安心です。
不用品回収・リサイクル業者の活用
まだ使用できる家具や家電、書籍などは、自治体の許可を受けた不用品回収やリサイクル業者を活用するのも一つの方法です。自治体の粗大ごみ回収では収集まで時間がかかる地域もあるため、状況によっては民間業者の方が早く対応できる場合があります。
ただし、不用品回収サービスを巡るトラブルも発生しており、後から高額な追加料金を請求されるケースも報告されています。そのため、必ず事前に見積もりを依頼し、回収対象や料金体系を確認することが大切です。
生前整理や家じまい専門の業者に委託
部屋全体の片付けや大量の不用品処分が必要な場合は、生前整理や家じまいを専門とする業者に依頼するのが効率的です。専門業者は仕分け・搬出・処分まで一括で対応してくれるため、短期間で実家を整理したい海外在住者に適しています。
ただし、業者によって対応範囲や料金体系は大きく異なるため、必ず複数社から見積もりを取得し比較検討することが重要です。契約前には、追加料金の有無や処分対象の範囲についても確認しておきましょう。
参考:リサイクルページ「遺品整理・生前整理に対応している業者」
信頼できる片付け業者の選び方

片付け業者の質は、サービス内容・料金・対応力に大きな差があります。以下の基準を参考に、信頼できる業者を見極めましょう。
|信頼できる片付け業者の選び方
- 目的に合った業者を利用する
- 見積もり無料で料金体系が明確
- 自治体の認可や資格を持っている
- 遠隔でも進捗報告や写真送付に対応
- 口コミや実績が豊富
目的に合った業者を利用する
片付けの目的によって、依頼すべき業者の種類が異なります。対応範囲が合わない業者を選ぶと、追加費用や再依頼が必要になる可能性があるため、目的に合った業者を選ぶことが重要です。
例えば、親が施設に入居する前に家財を整理したいなら、生前整理業者がよいでしょう。一方、大型家具・家電の処分が主な目的であれば、不用品回収業者で対応が可能です。
見積もり無料で料金体系が明確
業者選びでは料金だけで判断するのではなく、見積内容の分かりやすさを重視することが大切です。特に、後から追加料金を請求されるトラブルには注意する必要があります。
見積書には、作業費(作業内容)、搬出費、処分費、交通費などが明記されているか確認しましょう。また、最低でも2〜3社から相見積もりを取り、料金相場を把握しておくことをおすすめします。事前に予算を決めておけば、不要なサービス契約を避けられるでしょう。
自治体の認可や資格を持っている
家庭から出る一般廃棄物を収集・運搬するには、自治体の「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。不用品買取を行うには「古物商」の許可を得ていることが条件になります。
無許可の業者に依頼した場合、回収した物が不法投棄される可能性があり、依頼者も問題に巻き込まれるリスクがあるので注意しましょう。許可の有無は実家のある市区町村のWebサイトで公開されている許可業者リストで確認できます。
また、生前整理アドバイザーや遺品整理士などの民間資格を持つスタッフの在籍状況も、業者の専門性を見極める一つの指標になります。資格の有無だけでなく、実際に問い合わせた際の対応や説明の分かりやすさも判断材料になるでしょう。
参考:環境省「いらなくなった家電製品は正しくリユース・リサイクル」
遠隔でも進捗報告や写真送付に対応
一時帰国中の予定が多く、片付け時の立ち会いが難しい場合には、遠隔対応の業者が便利す。作業前後の写真や動画を送ってもらえる業者なら、作業に立ち会えなくても進捗を確認できます。なかには、ビデオ通話を利用して作業状況を確認できる業者もあります。
また、メールやLINEでのやり取りに対応している場合は、一時帰国前に相談することも可能です。実家の片付けは数日で終わらないことも多いため、報告体制が整っている業者を選ぶことで安心して任せられるでしょう。
口コミや実績が豊富
業者のWebサイトだけでは、実際のサービス品質を判断することは難しいため、口コミや利用実績も参考にしましょう。特に「生前整理」「実家の片付け」「家じまい」など、自分と近いケースの実績がある業者は安心材料になります。
ただし、口コミには個人の主観も含まれるため、評価の高低だけでは判断できません。口コミは参考情報として活用しつつ、見積内容や対応の丁寧さ、説明の分かりやすさなどを総合的に確認することが重要です。
実家の片付け後に維持管理するコツ

実家の片付けは、一度終わればそれで完了というものではありません。特に海外在住者の場合、次回帰国まで長期間空くことも多いため、片付いた状態を維持することが重要です。親の暮らしやすさを保ちつつ、管理の負担を減らす方法を考えていきましょう。
|実家の片付け後に維持管理するコツ
- 定期的なハウスクリーニングの利用
- 物を増やさないためのルール作り
- 空き家管理サービスの利用
定期的なハウスクリーニングの利用
海外在住者は頻繁に実家を訪問できないため、必要に応じてハウスクリーニングサービスを活用するのも有効です。実家を片付けても、その後の清掃や管理が行き届かなければ再び物が増えたり、住環境が悪化したりする可能性があります。
定期的に清掃を行えば、室内の衛生状態を維持しやすくなります。また、清掃スタッフが定期的に訪問することで、高齢の親の生活状況を把握でき、室内の異変や設備の不具合などに気づきやすいこともメリットです。
近年は、海外からでもオンラインで予約や支払いを完結できるサービスが増えています。年に数回、定期的に利用すると、片付けた後の状態を長く保ちやすいでしょう。

物を増やさないためのルール作り
せっかく片付けても、以前と同じ生活習慣が続けば再び物が増えてしまいます。片付け後は、親と一緒に「1つ買ったら1つ手放す」「収納スペースに収まらなくなったら買わない」といったルールを決めておきましょう。
海外在住者の場合は、一時帰国のたびに収納状況を確認し、物が増えていないかを親と一緒に見直すことが大切です。早い段階で対処することで、大規模な片付けを繰り返さずに済む環境を作れます。
空き家管理サービスの利用
実家が空き家になる場合、海外在住者は現地で管理することが難しいため、空き家管理サービスの利用を検討しましょう。空き家は定期的に換気や通水、郵便物の確認などを行わないと、建物の老朽化や防犯上の問題が発生する可能性があります。
また、2023年に改正された「空き家対策特別措置法」により、管理不全の空き家は自治体から指導・勧告を受け、固定資産税の軽減措置が受けられなくなる可能性があります。親の施設入居や将来の相続を見据えて、早めに管理方法を検討しておきましょう。
参考:国土交通省
「住宅:空き家対策」「全国地方公共団体空き家・空き地情報サイトリンク集」
海外在住者こそ早めに実家の片付けを始めよう
海外在住者にとって実家の片付けは、単なる整理整頓ではなく、高齢の親の安全な暮らしや将来の介護、相続対策にもつながる重要な準備です。親が元気なうちであれば、持ち物への思いや今後の希望を確認しながら進められるため、生前整理としても大きな意味があります。
片付けは一度の帰国で完結させる必要はありません。目的を明確にして事前準備を徹底し、毎回の帰国で少しずつ進めるのが現実的です。
海外からでも事前準備や情報収集など、できることは少なくありません。まずは親と話し合い、実家の現状を把握したうえで、次の一時帰国に向けた計画づくりから始めましょう。









