海外在住者が親の老人ホームを探すには?選び方のコツと相談先を紹介

海外で暮らしながら日本に住む親の老人ホームを探すのは、容易ではありません。直接見学するのが難しいだけでなく、日本の介護保険の仕組みや手続き、各施設の違いについても理解する必要があります。
この記事では、海外在住者が親の老人ホームを探すときに役立つ情報を紹介。老人ホームの種類や選び方のポイント、効率的な探し方、具体的な相談先や代行サービスまで、詳しく解説します。遠く離れていても安心して親を任せられる施設を見つけましょう。
- 海外から日本の老人ホームを探すときの課題
- 日本の老人ホームの種類
- 日本の親のために老人ホームを選ぶときのポイント
- 海外在住者が日本の老人ホームを効率的に探すコツ
- 海外から老人ホームを探すときに役立つ相談先
※ 本記事は海外在住者が日本の親の老人ホームを探す際の一般的な情報をまとめたものであり、具体的な入居可否や費用、手続き条件を保証するものではありません。最新情報は各施設や自治体、公式サイトで必ずご確認ください。
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海外から老人ホームを探すときの主な課題

海外在住の日本人が日本にいる親の老人ホームを探すのは、多くの課題が伴います。とくに現地での情報収集や施設見学が難しいことや、親の健康状態を正確に把握しにくい点が、大きなネックになりやすいでしょう。海外からの老人ホーム探しで直面しやすい主な課題と、効果的な解決策について解説します。
海外から老人ホームを探すときの主な課題
- 施設を直接見学するのが難しい
- 情報の信頼性が判断しにくい
- 親の希望や健康状態の把握不足
施設を直接見学するのが難しい
海外在住者にとっての大きな課題は、施設を実際に見て回るのが難しい点です。老人ホームを選ぶ際は、施設の雰囲気やスタッフの対応を実際に確認する必要があります。しかし、海外から帰国して施設を探すことは、時間的・経済的にも簡単ではありません。
直接訪問するのが難しい場合には、施設紹介の動画などをチェックして検討してみましょう。なかには、オンライン見学やバーチャルツアーを提供している施設もあります。個別にオンライン相談ができる場合は、積極的に利用するのがおすすめです。
情報の信頼性が判断しにくい
施設のパンフレットやウェブサイトを見るだけでは、情報の信頼性を判断しにくい点もネックです。写真や説明が魅力的であっても、実際には施設環境が整っておらず、期待通りのサービスが受けられないことは少なくありません。実際に入居している家族のリアルな声や、現地の評判を聞くのも難しいでしょう。
施設で公表している情報の信頼性や評判を知るには、厚生労働省の介護サービス情報公表システムが役に立ちます。当システムでは、全国の介護施設の基本情報や運営状況のほか、サービスの質、相談・苦情への対応に対する評価も確認が可能です。自治体のパンフレットなども参考にし、複数の情報源を照らし合わせて総合的に判断しましょう。
親の希望や健康状態の把握不足
海外在住者の場合、親と離れて暮らしているため、日々の健康状態や本人の希望を把握するのが難しいという課題もあります。親自身が「まだ大丈夫」と考えていても、実際には介護が必要なケースはよくあることです。子どもに心配をかけないようにと元気を装っていたり、本心を隠したりすることもよくあります。
最適な施設を見つけるには、事前に親が希望する生活スタイルや譲れない条件を聞き出しておくことが重要です。施設探しの直前になってからではなく、定期的に電話やビデオ通話で連絡を取り合い、普段の何気ない会話から情報を集めておきましょう。
日本にいる親族や友人、かかりつけ医から定期的に情報を得ておくのも有効です。親の要介護認定の状況や既往症、服薬状況なども整理しておくと、施設探しがスムーズに進みます。
親の状況別にみる老人ホームの種類
老人ホームには様々な種類があり、それぞれ入居条件が異なります。最適な老人ホームを探すためには、親の介護度や健康状態、経済状況を把握しておくことが重要です。ここでは介護が必要な場合と比較的自立している場合に分けて、施設の種類と特徴を紹介します。
親の状況別にみる老人ホームの種類
- 介護サービスが必要な場合
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護付き有料老人ホーム
- 介護型ケアハウス(C型軽費老人ホーム)
- グループホーム
- 介護医療院
- 比較的自立している場合
- 住宅型有料老人ホーム
- 一般型ケアハウス(C型軽費老人ホーム)
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
常時介護サービスが必要な場合

要介護度が高く、日常生活に常時介護が必要な親には、24時間体制で介護サービスを提供する施設が適しています。主な選択肢は、以下のとおりです。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム/特養)
介護老人福祉施設は、原則として要介護3以上の高齢者を対象とした公的施設です。24時間体制で介護職員が常駐し、食事・入浴・排泄といった日常生活全般の介護を受けられます。費用負担が抑えられており、月額10万円前後から入居できることがメリットです。
ただし、入居待機者が多く、申し込みから入居まで数か月から数年かかる場合があります。基本的に入居期間に制限がないため、長期的な介護が必要な場合は、有力な選択肢の一つになるでしょう。
参考:厚生労働省「介護老人福祉施設」
介護老人保険施設(老健)
介護老人保健施設は、病院と自宅の中間的な役割を担う施設のこと。主に医療ケアやリハビリを必要とし、在宅復帰を目指す要介護1以上の高齢者を対象としています。医師が常駐し、看護師や理学療法士などの専門職による手厚いサポートが受けられることがメリットです。
介護老人保健施設の平均入所期間は310日(約6か月)で、定期的に入所継続の必要性が判定されます。入院治療後すぐに自宅での生活が難しい場合や、身体機能の低下により見守りが必要となった場合などに入所することが多いでしょう。一時的な看護・見守りが必要となった場合には、候補として検討してみてください。
参考:厚生労働省「介護老人保健施設」
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、要介護1以上の高齢者を対象とする民間の居住施設です。24時間体制で介護スタッフが常駐し、食事・入浴・排泄などの介護サービスを受けられます。リハビリ設備が充実していたり、レクリエーション活動が豊富だったりする施設もあります。
特別養護老人ホームより待機期間は短い傾向ですが、費用は高めです。立地や設備、事業者によって費用やサービス内容にも幅があるため、よく比較検討する必要があります。海外からでもメールなどで相談できる施設が多いので、問い合わせ時に詳しく確認しましょう。
参考:厚生労働省「有料老人ホームの概要」
介護型ケアハウス(C型軽費老人ホーム)
介護型ケアハウスは、自立から要介護まで幅広い高齢者を受け入れている公的施設です。所得に応じて利用料が決まる仕組みのため、収入が少ない高齢者でも入居しやすいでしょう。月額費用は9~15万円程度が目安で、介護付き有料老人ホームより低額の傾向があります。
介護スタッフが常駐し、食事・入浴・排泄などの介護サービスを受けられるほか、生活相談員による生活支援も行われます。個室が多く、二人部屋には御夫婦での入居も可能です。ただし、入居待機が長いケースもあるため、早めに情報収集しておくとよいでしょう。
参考:全国老人福祉施設協議会「養護老人ホーム及び軽費老人ホーム・ケアハウスの概要」
グループホーム
グループホームは、認知症の診断を受けた要支援2以上の高齢者を対象とした施設です。5~9人程度の少人数で共同生活を送りながら、家庭的な雰囲気の中で認知症ケアを受けられます。地域密着型サービスのため、施設がある市区町村に住んでいる人のみ入居が可能です。
専門的な認知症ケアを受けられるほか、食事や入浴といった日常生活の支援や、機能訓練などのサービスも受けられます。ただし、医師・看護師の常駐が必須ではないため、医療処置が必要な場合は別の施設の検討が必要です。親の認知症が疑われる場合は、まず親の住む地域にあるグループホームか、自治体に相談してみましょう。
参考:厚生労働省「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」
介護医療院
介護医療院は、長期的な医療ケアと介護の両方を必要とする要介護者を対象とした施設です。Ⅰ型とⅡ型があり、Ⅰ型はより重度の医療ニーズに対応しています。医師や看護師が常駐しているため、たんの吸引や経管栄養などの医療処置が必要な方も入居が可能です。
特別養護老人ホームより医療面でのサポートが手厚く、看取りまで対応している施設も多くあります。親が長期的な医療ケアを必要とする場合には、選択肢に入れて検討しましょう。
参考:厚生労働省「介護医療院」
比較的自立している場合

親が日常生活を自分である程度こなせる場合には、自由度の高い住まいが適しています。生活環境やサービス内容、経済的負担などを中心に比較して選びましょう。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、基本的に自立した生活が可能な高齢者向けの民間施設です。食事の提供や生活相談、緊急時の対応などは施設が行い、介護が必要になった場合は、訪問介護やデイサービスといった外部サービスを個別に契約して利用します。
月額費用は介護付き有料老人ホームより低い傾向がありますが、介護サービスを利用する場合は費用が別途必要です。生活の自由度が高い一方、介護が必要な場合には、費用負担が大きくなる可能性があります。親の希望や経済状況を考慮して検討しましょう。
参考:厚生労働省「有料老人ホームの現状と課題・論点について」
一般型ケアハウス(C型軽費老人ホーム)
一般型ケアハウスは、60歳以上で自立または軽度の介護が必要な方が対象の施設です。身体機能の低下や経済的な理由で自宅での生活が困難になった方が、比較的低額で入居できます。所得に応じた料金設定になっており、費用は介護型ケアハウスと大きく変わりません。
ただし、食事の提供や生活相談などのサービスは受けられますが、介護サービスは対象外です。介護が必要な場合は、住宅型有料老人ホームと同様、外部サービスを利用します。高齢の親が一人暮らしだと心配というような方は、検討してみてください。
参考:健康長寿ネット「ケアハウスとは」
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サービス付き高齢者向け住宅(サ住高)は、バリアフリー構造の高齢者向け賃貸住宅です。生活支援や緊急通報サービスが整っており、必要に応じて訪問介護を受けられます。基本的に自立した生活ができる60歳以上の高齢者が対象ですが、要介護者も入居が可能です。
一般的な賃貸住宅と同様すべて個室のため、プライバシーを保ちながら自由な生活を送れます。施設によっては訪問介護事業所を併設しているところもあるので、介護が必要になっても住み続けやすいでしょう。ただし、病院の付き添い、買い物代行などの生活支援や介護サービスは個別の契約となり、費用負担が増える点に注意が必要です。
参考:
厚生労働省「介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて」
高住連「高齢期の住まいを考えるヒント集」
海外在住者が親の老人ホームを選ぶときのポイント

日本にいる親の老人ホームを選ぶ際は、海外在住者ならではのポイントも検討する必要があります。入居条件や費用、サービス内容等に加え、離れていても安心して親を任せられる体制かどうか、入居手続きはどのように進めるのかもしっかり確認しましょう。
海外在住者が親の老人ホームを選ぶときのポイント
- 入居条件
- 利用料金
- 介護・医療体系
- 施設の雰囲気・スタッフの対応
- 施設の立地・アクセス
- 海外からの相談や手続きの可否
入居条件
施設の入居対象となる要介護度や年齢、保証人の有無といった条件の確認が必要です。施設ごとに受け入れが可能な要介護度の範囲や、対象年齢、入居条件が定められています。
たとえば、特別養護老人ホームは原則65歳以上で要介護3以上、介護付き有料老人ホームは原則60歳以上で要介護2以上の方が対象です(施設による)。海外在住の場合、親の状態が変化しても頻繁に施設を変更することは困難なため、将来的に介護度が上がっても住み続けられるかも確認しておきましょう。
また、施設によっては、保証人(身元引受人)が必要となる場合もあります。海外在住の場合、身内であっても保証人として認められないケースが少なくありません。国内に頼れる親戚や知人がいない場合は、保証人不要または代行サービスで対応できる施設を探す必要があります。

利用料金
老人ホームでは、入居一時金、月額利用料、介護サービス費などがかかります。民間施設は、公的施設より月額費用や入居一時金が高い傾向があるため、総費用を事前に確認しておきましょう。一方、公的施設は、入居一時金なしで月額利用料のみの場合もあります。
月額利用料には、居住費、食費、日常生活費などが含まれるのが一般的です。介護サービス費は親の要介護度や収入によって異なるため、施設のスタッフやケアマネージャーなどに相談してみましょう。親の年金収入や貯蓄額も考慮し、長期的に無理なく利用できる施設を選ぶことが大切です。
参考:厚生労働省「サービスにかかる利用料」
介護・医療体制
施設の介護・医療体制は、入居後の安全と生活の質に直結します。看護師・介護職員の勤務体制や、提携する医療機関を必ず確認しましょう。親に持病がある場合は、その疾患への対応や医師の往診頻度も確認しておきたいポイントです。
施設側のコミュニケーション体制も確認しておく必要があります。親の急な体調変化や事故があった際に、海外にいる家族への連絡が可能かどうかを相談しておきましょう。すぐに連絡が取れなくても、施設側で適切に対応してもらえる体制が整っていると安心です。
施設の雰囲気・スタッフの対応
親が快適に過ごせるかどうかは、施設の雰囲気やスタッフの対応に左右されます。可能な限り実際に施設を見学し、居室や共有スペースの環境、入居者同士の交流の様子、スタッフの印象などを確認しましょう。直接訪問するのが難しい場合は、オンライン見学も有効です。
施設で静かに過ごしたい、ほかの入居者との交流を楽しみたいなど、親の性格によっても適切な施設は変わります。レクリエーションやイベントの有無、入居者同士が交流する機会なども確認し、親の希望や意向に沿った施設を選びましょう。
施設の立地・アクセス
親が自立している場合は、周辺環境もチェックしましょう。医療機関や商業施設が近くにあると、便利で暮らしやすくなります。施設のある場所が安全かどうかも確認してください。
親が入居する施設は、親の生活圏であることはもちろん、海外に住む自分や親族、知人などが訪問しやすい場所にあるのが理想です。親が長年暮らしてきた地域であれば、知人や友人が訪問しやすく、孤独感の軽減につながるでしょう。海外在住者にとっては、一時帰国した際にアクセスしやすい場所であることも重要な条件です。
海外からの相談や手続きの可否
海外在住者にとっては、オンラインでの相談や手続きに対応してくれる施設かどうかも重要です。メールやビデオ通話などでの相談に対応しているか確認しましょう。オンラインで契約書や費用明細といった書類のやり取りができると、直接訪問できないときも安心です。
入居後も定期的な状況報告や入金手続きなどで、施設側とのやり取りが生じます。メールやデジタルツールなどで、スムーズにコミュニケーションが取れる施設だと望ましいでしょう。海外にいても、必要なときに連絡を取り合える体制が整っているか確認が必要です。
海外在住者が効率よく老人ホームを探すコツ

日本に住む親の老人ホームを探す際は、効率的に情報収集を行い、慎重に比較検討することが重要です。限られた時間の中で、親が安心して過ごせる施設を探すための具体的なコツを紹介します。
海外在住者が効率よく老人ホームを探すコツ
- 事前に親と希望条件を整理する
- インターネットを活用して効率的に情報収集する
- 信頼できる現地の家族・知人に代理見学を依頼する
- 無料相談窓口や専門相談機関を活用する
- 老人ホーム探しの代行サービスを検討する
事前に親と希望条件を整理する
施設探しを始める前に、親と十分に話し合って希望条件を明確にしておくことが重要です。親が望む生活スタイル、こだわりたいポイント、絶対に譲れない条件などを具体的に聞き出しましょう。条件を明確にして優先順位をつけておくと、候補施設の選定や比較が容易になり、入居後のミスマッチも防げます。
また、予算の上限を現実的に設定することも不可欠です。親の年金収入、貯蓄額、医療費などを考慮し、長期的に支払い可能な金額を算出しておきましょう。親の意向を尊重することが、入居後の生活満足度につながります。

インターネットを活用して効率的に情報収集する
インターネットを活用すれば、海外からでも効率的に情報収集ができます。老人ホーム検索サイトでは、地域・予算・介護度などの条件を入れて検索すると、希望に合う施設の絞り込みが可能です。基本情報やサービス内容、料金、医療体制などのほか、口コミなどを確認すできるので、効率的に候補の施設を探せるでしょう。
気になる施設が見つかったら、資料請求をして詳細な情報を入手してみてください。最近では、パンフレットをPDFでメール送付してくれる施設も増えています。最低でも3施設以上を候補に挙げて比較検討しましょう。情報は定期的に更新されるため、常に最新の情報をチェックしておくことも大切です。
信頼できる現地の家族・知人に代理見学を依頼する
海外在住では現地での見学が難しいため、可能であれば日本にいる親族や信頼できる知人に代理見学を依頼しましょう。実際に施設を訪問してもらうことで、施設の雰囲気やスタッフの対応、入居者の様子など、リアルな情報が得られます。見学時にチェックしてほしいポイントを伝えると効果的です。
どうしても難しい場合は、一時帰国時に複数の施設をまとめて見学する計画を立てましょう。短期間の帰国でも、事前にアポイントを取って複数の施設を効率的に回れば、十分に比較検討できます。
無料相談窓口や専門相談機関を活用する
老人ホーム選びに迷ったら、専門家のアドバイスを受けることも有効です。自治体の高齢者支援窓口や地域包括支援センターでは、無料で相談に応じてもらえます。海外からの相談にも対応している自治体が増えているので、メールや電話で問い合わせてみてください。
公的な機関からアドバイスを受けることで、信頼性の高い情報に基づいた判断が可能になります。介護の専門知識を持つ相談員が、親の状況に応じた施設選びをサポートしてくれるでしょう。具体的な相談機関は「老人ホーム探しに役立つ相談先・サービス」で紹介します。

老人ホーム探しの代行サービスを検討する
施設選びに不安がある場合は、民間の老人ホーム紹介センターを利用するのもおすすめです。専門のコンサルタントが、親の状況や希望条件をヒアリングした上で、最適な施設を提案してくれます。情報収集や比較の手間が大幅に軽減されるため、十分な時間がないときも役に立つでしょう。
なかには、施設見学の代行、契約手続きのサポート、入居後のフォローまで対応してくれるサービスもあります。費用はかかりますが、海外在住で頻繁に帰国できない方にとっては、時間と労力を大幅に節約できるので便利です。サービス提供者の信頼性をしっかり確認し、契約内容や料金体系を明確に理解した上で利用しましょう。
老人ホーム探しに役立つ相談先・サービス

海外在住者が日本の親の老人ホームを探す際、自治体や民間の相談窓口、オンラインサービスを活用すると効率的です。老人ホーム探しに役立つ具体的な相談先を紹介します。
老人ホーム探しに役立つ相談先・サービス
- 自治体の高齢者支援窓口
- 地域包括支援センター(ケアマネージャー)
- 民間の老人ホーム紹介センター
- 海外在住者向けオンライン相談サービス
自治体の高齢者支援窓口
親が住んでいる市区町村の高齢者支援窓口(福祉課、高齢者福祉課など)では、地域内の介護施設情報を提供してもらえます。公的施設である特別養護老人ホームやケアハウスへの入居申し込みは、自治体を通じて行うことが一般的です。市区町村の窓口では、介護保険の申請や要介護認定の手続きについても相談できます。
海外在住の場合、電話やメールでの問い合わせに対応してくれる自治体も増えています。まずは親の居住地の自治体ホームページを確認し、相談窓口の連絡先や利用可能なサービスを調べましょう。各自治体の相談窓口は、以下のサイトで検索できます。
地域包括支援センター(ケアマネージャー)
地域包括支援センターは、高齢者の生活・介護全般を支援する相談窓口です。ケアマネージャーが親の健康状態や介護度を把握し、適切な施設や在宅サービスの紹介を行います。親がすでに要介護認定を受けている場合は、担当のケアマネージャーに相談することで、親の状態に適した施設を紹介してもらえるでしょう。
ケアマネージャーは地域の介護施設の実情をよく知っているため、パンフレットやウェブサイトだけでは分からない情報も教えてもらえることがあります。海外在住者の場合、メールや電話での相談も可能か確認し、定期的に連絡を取り合える関係を築いておくと安心です。
参考:厚生労働省「地域包括支援センターについて」
民間の老人ホーム紹介センター
民間の老人ホーム紹介センターは、利用者の希望条件に合った施設を無料で紹介してくれるサービスです。介護の専門知識を持つ相談員が、親の要介護度、予算、希望する地域などをヒアリングし、複数の候補施設を提案してくれます。
オンライン相談やメールでのやり取りに対応しているところも多いため、海外在住でもスムーズに相談が可能です。紹介センターは施設から紹介料を受け取る仕組みで、基本的に相談する側は無料で利用できます。施設見学の同行や、契約手続きのサポートをしてくれる場合もあるので、必要に応じて活用しましょう。
海外在住者向けオンライン相談サービス
海外在住者向けのオンライン相談サービスを利用するのもおすすめです。オンラインで気軽に相談できるので、入居の検討や手続きの不安を軽減できるでしょう。
サロンドハース
サロンドハースでは、老人ホームや介護サービスに関する無料の個別相談を受け付けています。専門家が具体的な悩みや質問に答えてくれるため、親の状況や海外にいる自分の状況に合わせたアドバイスがもらえるでしょう。
老人ホーム探しだけでなく、介護サービスの手続きや行政・法律に関する相談にも応じています。日本にいる親が急に介護が必要になった場合には、各分野のプロと連携してサポートできる点が強みです。親の介護や手続きの悩みを一気に解決したい方におすすめします。
日本リレーションサポート協会
日本リレーションサポート協会は、海外在住者向けに老人ホームや介護サービスの相談を受け付けています。オンラインで親の状況や希望条件をヒアリングし、候補となる施設を提案。施設見学や身元保証人の手配といったサポートにも対応しています。
認知症の疑いがある親の相談や、財産管理などをサポートしている点も強みです。民事信託(家族信託)や任意後見人を検討中の方には、心強いでしょう。東京、大阪、名古屋などにサロンもあるので、一時帰国時などに直接訪問して相談もできます。
施設に入居した後も、海外在住の家族ができるサポートはあります。定期的なオンライン面談や電話連絡で親の健康状態や生活状況を把握し、必要に応じて施設と調整しましょう。
誕生日や行事の祝い、趣味や交流の情報提供など、心理的なサポートも大切です。遠隔でも家族と密に関わることで、親の安心感や生活の質を高められます。
海外在住者が安心して親の老人ホームを選ぶために
海外在住者が日本の高齢の親の老人ホームを選ぶ際は、現地確認の難しさや情報の信頼性、親の希望把握の課題があります。しかし、施設の種類や介護体制、料金、立地、スタッフ対応などを整理し、事前に希望条件を明確にしておくことで効率よく検討が可能です。
また、オンライン見学や資料請求、信頼できる家族による代理見学、自治体・民間の相談窓口や代行サービスを活用すると、遠隔でも安心して選べます。入居後も定期的に連絡を取り、親の生活をサポートすることが大切です。














