本帰国
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本帰国に迷ったら?後悔ゼロを目指す8つの判断基準と最適な時期とは

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海外在住の日本人にとって「本帰国をするかどうか」は大きな決断です。仕事、子どもの教育、家族の事情、経済面など、判断に迷う要素は少なくありません。

この記事では、本帰国を迷うときに検討したい8つのポイントと最適なタイミング、決断できないときの対処法まで詳しく解説します。後悔のない選択をするために、ぜひ参考にしてください。

この記事のポイント
  • 本帰国とは海外から日本へ生活拠点を戻すことで、一時帰国とは異なる
  • 子どもの教育、キャリア、健康、家族の事情など、総合的な判断が重要
  • 本帰国の時期は、子どもの学年や税金の課税時期を考慮する
  • タイミングが合わなければ、家族の帰国時期をずらすことも選択肢に
  • 決断できない場合は、期限付きの帰国や専門家への相談も有効

※ 本記事は、海外在住者の本帰国に関する一般的な情報をまとめたものであり、各個人の状況に適用されることを保証するものではありません。税金や社会保険、ビザなどの制度は変更される場合があります。最新情報は、各自治体・外務省・在外公館・専門機関の公式情報をご確認ください。

そもそも「本帰国」とは?一時帰国との違いは?

海外在住者にとって「本帰国」は人生の大きな転機です。海外での生活が長くなると「一時帰国」と「本帰国」の境目があいまいになりがちですが、手続きや生活への影響は大きく異なります。まずは本帰国の基本的な意味と、一時帰国との違いを正しく理解しましょう。

本帰国の定義と意味

「本帰国」とは、海外での生活を終えて日本に生活拠点を完全に戻すことです。単なる「帰省」や「里帰り」とは異なり、日本を主な居住地として再び暮らし始めることを指します。海外在住者にとって「本帰国」は、キャリア、家族の生活、子どもの教育環境などすべてを日本に移行させる大きな決断といえるでしょう。

一時帰国との違い

一時帰国は、海外での生活拠点を維持したまま、短期間だけ日本に滞在することを指します。本帰国との最も大きな違いは「生活拠点がどこにあるか」という点です。

たとえば、帰省、出産、家族行事、行政手続きなどを目的として、数日から数か月滞在する場合は、一時帰国にあたります。滞在期間が1年未満であれば、転入届の提出も不要です。住民票や社会保険の登録地は海外のままであり、税制上も「非居住者」として扱われます。

一方、本帰国では転入届の提出、国民健康保険への加入、年金の切り替えなど、多くの行政手続きが必要です。期間だけでなく制度上の扱いが変わるため、将来の計画を立てる際には、両者の違いを明確に理解しておくことが重要です。

本帰国を迷うときに考えるべき8つのポイント

本帰国は一度決断すると簡単には戻れない大きな選択です。本帰国を後悔しないためには、家族の状況、キャリア、経済面など多角的な視点から冷静に判断する必要があります。本帰国を迷うときは、次の8つの観点を踏まえて検討すると判断しやすくなるでしょう。

  • 子どもの教育環境・将来設計
  • 仕事・キャリアの見通し
  • 自分や家族のメンタル・健康の問題
  • 経済的な負担・生活コスト
  • 将来設計とビザ・永住資格の関係
  • 日本の親の介護問題
  • 日本での生活基盤の再構築
  • 文化の違いや言葉の再適応

1.子どもの教育環境・将来設計

子どもがいる海外在住者にとって、教育環境は本帰国を決める重要な要素の一つです。現地校での学習を続けるか、日本の教育に切り替えるかは、子どもの将来に大きく影響するため、長期的な視点での判断が求められます。

まず考えたいのは、子ども自身の希望と適応力です。現地の言語や文化に馴染んでいる場合、日本の教育制度にスムーズに移行できるかを見極める必要があります。一方、日本での高校・大学進学を考えているなら、早めの帰国が学習面で有利になることもあるでしょう。

日本の学校への編入時期も重要です。学年の途中での転入は子どもにとって負担が大きく、急な環境変化はストレスになる可能性があります。現地校と日本の学校では学習内容や進度も異なるため、学力面でのギャップも把握したうえで検討しましょう。

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2.仕事・キャリアの見通し

本帰国後の仕事やキャリアの見通しは、現実的な判断の軸になります。日本での再就職や転職の可能性を現実的に見極めることが重要です。海外経験をどのように活かせるか、日本での再就職市場や転職環境を具体的に確認しておきましょう。

企業駐在員の場合は、帰任後のポジションや待遇も重要です。現地の企業勤務や自営業の場合は、日本での就職市場の状況、自分のスキルや経験が日本企業でどう評価されるかをリサーチする必要があります。

海外経験は強みになる一方で、日本の商習慣や業界動向から離れていた期間が長いと、再適応に時間がかかってしまいがちです。転職エージェントへの相談、日本の求人市場の情報収集を行い、職務内容・勤務地・報酬などを比較して現実的な判断をすることが大切です。

3.自分や家族のメンタル・健康の問題

心身の健康は、何よりも優先すべき要素です。海外生活は刺激的である一方、孤立感やストレスが大きく、心身に影響を及ぼすこともあります。海外の生活で自分や家族が精神的・肉体的な負担を抱えている場合は、本帰国を真剣に検討すべきタイミングかもしれません。

高額な医療費の経済的な負担や、日本語での診療を必要とする状況も、帰国を考える理由になります。医療制度や言語の壁に不安を感じる場合、日本の医療体制や家族のサポートが得られる環境に戻ることは、現実的な選択といえるでしょう。

4.経済的な負担・生活コスト

生活費や税金などの経済的要因は、本帰国を判断するうえで現実的に考えなければならないポイントです。海外と日本では物価水準や税制が大きく異なるため、長期的な家計への影響を比較検討する必要があります。

居住国によっては、住居費、教育費、医療費が日本より大幅に高額な場合があります。一方で、日本の都市部も生活コストは決して安くありません。帰国後の住居探しや生活費の見積もりを事前に行うことが重要です。

為替レートの変動も収入や資産に影響するため、円安・円高の状況も考慮する必要があります。収入の見通しと照らし合わせて冷静に分析し、家族が安心して暮らせる選択をすることが大切です。

5.将来設計とビザ・永住資格の関係

長期的な人生設計において、ビザや永住資格の状況は本帰国の判断に大きく関わります。特に、将来再び海外に戻る可能性がある場合は、現在の滞在資格を維持、または喪失する条件を確認しておくことが大切です。国によっては、一定期間以上現地を離れると資格が失効する可能性があります。

子どもが二重国籍の場合、国籍選択の問題も考慮すべきです。帰国のタイミングによって将来の選択肢が変わることがあります。配偶者が外国籍の場合は、日本での在留資格取得の手続きも必要です。再渡航の可能性も含めて、家族全員の将来設計を慎重に判断しましょう。

6.日本の親の介護問題

親の介護がきっかけで本帰国を検討する人も増えています。特に一人っ子や、日本に頼れる親族がいない場合は、早めの決断が求められるでしょう。

遠距離介護という選択肢もありますが、緊急時の対応や日常的なケアには限界があります。海外から頻繁に帰国するのも、経済的・体力的に大きな負担になりかねません。介護の分担が難しい状況であれば、自分が中心となって対応する覚悟も必要になります。

親孝行と自分の人生設計のバランスを取ることは簡単ではありません。しかし、親の意向も確認しながら、施設入所や地域の介護サービスについても情報収集し、慎重に検討することが重要です。早めに家族で話し合い、現実的なプランを立てましょう。

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7.日本での生活基盤の再構築

本帰国後は、生活基盤をゼロから作り直す必要があります。海外在住期間が長いほど、日本での生活が落ち着くまでは時間と労力がかかることは避けられません。住まい探し、銀行口座や行政の手続き、運転免許の更新など、帰国直後にやるべきことが多くあります。

特に賃貸契約には国内の保証人が必要なこともあるため、早めにサポート体制を整えておくと安心です。銀行や行政の手続きには書類の準備や窓口への複数回の訪問が必要なため、帰国直後は想像以上に忙しくなる可能性があります。日本での生活リズムを取り戻すには、少なくとも数か月はかかると認識しましょう。

8.文化の違いや言葉の再適応

海外生活が長くなると、日本の社会マナーや言葉づかい、仕事の文化に違和感を覚えることがあります。特に海外生活が10年以上になる人は「母国なのに馴染めない」という「逆カルチャーショック」を感じることも少なくありません。

日本社会は、海外への渡航前と比べて変化しています。働き方、テクノロジーの浸透、社会の価値観など、自分が知っていた日本とは異なる部分が多々あるでしょう。海外での自由な生活スタイルに慣れていると、日本ならではのマナーにストレスを感じる人もいます。

しかし、いずれも長く海外で生活した人の多くが経験することであるため、焦らず時間をかけて慣れていくことが大切です。本帰国後は、時間をかけて日本社会に再び馴染んでいく姿勢が重要といえます。

本帰国のベストなタイミングは

本帰国のタイミング次第で、手続きの負担や家族への影響は大きく変わります。子どもの学年、仕事の節目、税制面などを考慮し、最適な時期を見極めましょう。

  • 子どもの学年・入学時期に合わせる
  • 仕事や契約期間の節目を活用する
  • 税金・保険料の課税区分の時期に合わせる

子どもの学年・入学時期に合わせる

子どもがいる場合は、進学や学年の切り替えに合わせて帰国するのが理想的です。日本では新学期が4月に始まるため、1〜3月ごろの帰国を目指す家庭が多く見られます。

特に小学校入学や中学・高校進学のタイミングに合わせると、新しい環境で一斉にスタートできるので、子どもが馴染みやすいでしょう。編入の場合でも、クラス替えがある学年の切り替え時期を選ぶことで「転校生」として目立ちすぎず、自然に溶け込みやすくなります。

帰国生入試を利用する場合は、受験スケジュールや必要書類の準備期間も考慮が必要です。長期休暇中(夏休み・冬休み)を利用して一時帰国し、学校見学や住居探しを同時に行うとスムーズでしょう。子どもの年齢や性格、現地での友人関係なども考慮しながら、家族でよく話し合って時期を決めることが大切です。

参考:海外子女教育振興財団「帰国が決まったら

仕事や契約期間の節目を活用する

本帰国のタイミングとして、勤務先の契約期間や赴任期間の満了、現地の住居契約の更新時期に合わせるのもおすすめです。退職・帰任・転職などが重なる時期は手続きが複雑になりやすいため、数か月前から計画的に準備を進めましょう。

駐在員の場合、企業との合意で帰任時期が決まることが多いため、家族の予定も考慮して余裕をもったスケジュールを立てることが重要です。現地採用の場合は、ビザの更新や雇用契約の更新時期を見計らって退職の意思を伝え、引き継ぎ期間も確保する必要があります。

住居契約も重要なポイントです。賃貸契約の更新時期に合わせて帰国すれば、違約金を払わずに済みます。家具付き物件のデポジット返還や、光熱費の精算なども含めて、退去手続きには1〜2か月程度の余裕を見ておくのがおすすめです。

税金・保険料の課税区分の時期に合わせる

帰国のタイミングは、税務上の取り扱いに大きく影響します。日本に帰国する時期によって、税金の課税区分が変わる点に注意しましょう。

たとえば12月末に帰国すると、翌年1月1日時点で住民登録されるため、前年の所得に対して課税されます。逆に、年初に帰国すると翌年から課税対象となり、その年は課税されません。わずか数日の違いで税の負担が変わるため、年明けの帰国が有利といわれています。

参考:総務省「個人住民税

家族の帰国時期を分けることも検討を

すべての家族が同時に帰国するのが理想ですが、状況によっては帰国時期を分けることも検討しましょう。特に、会社の赴任期間、子どもの学校の時期、日本での住居確保のタイミングが合わない場合には、柔軟な対応が必要になります。

たとえば、父親が赴任期間満了後に帰国して住居を確保し、母親と子どもが学校の新学期に合わせて帰国するのも一つの方法です。焦らずに半年〜1年前から準備を始めることで、スムーズな帰国と新生活のスタートを実現できるでしょう。

本帰国を決断できないときの対処法

本帰国は人生の大きな決断だからこそ、迷いや不安を感じるのは自然なことです。決断できないときは、情報収集や試験的な行動で不安を軽減していきましょう。

  • 期間を決めて一時的に日本で生活してみる
  • 帰国後の不安を軽減する情報を収集する
  • 専門家・経験者に相談して意見を聞く

期間を決めて一時的に日本で生活してみる

本帰国をためらうときは、まずは期間を限定して一時的に日本で生活してみるのも一つの方法です。数か月〜1年ほど日本で実際に暮らしてみると、頭の中で描いていたイメージと現実のギャップがはっきりと見えてきます。

実際に日本で暮らしてみると、物価や生活の便利さ、人間関係の作りやすさなど、想像とは異なる発見があるはずです。逆に、思っていたより不便だったり、期待していた環境でなかったりすることもあります。

特に、子どもの学校生活や仕事探し、親の介護などは実際に生活してみないと見えない課題も多いものです。海外の住居やビザを手放さず、二拠点生活を試すことで「本当に帰国すべきかどうか」を冷静に判断でき、迷いが晴れる可能性があるでしょう。

帰国後の不安を軽減する情報を収集する

本帰国への不安の多くは「情報不足」から生まれます。本帰国後の生活をリアルにイメージできるよう、具体的な情報を集めることで漠然とした不安を大きく軽減できるでしょう。

近年は、SNSや帰国者ブログ、YouTubeなどを通じて、実際に帰国した海外在住者の体験談を手軽に得られるようになりました。自治体や在外公館では、住民票・健康保険・年金の再加入などの手続きを案内するオンライン情報も充実しています。事前に必要書類や手順を把握しておけば、帰国後の手続きがスムーズです。

子どもの教育については、文部科学省や各都道府県の教育委員会が帰国子女向けの情報を提供しています。最新の制度や支援、経験者からの情報を集めることで「何をすればいいか分からない」という不安が解消され、前向きに検討できるようになるでしょう。

専門家・経験者に相談して意見を聞く

一人で悩まず専門家に相談し、客観的な視点や実用的なアドバイスを得るのも有効です。本帰国すべきかどうかは、個人や家族の状況によって異なります。専門家の意見を聞くことで、自分では気づかなかった選択肢が見えてくることも少なくありません。

本帰国に関する悩みは、以下のような専門家、相談機関などに相談してみましょう。

  • 就職・キャリア:転職エージェントやキャリアコンサルタント
  • 子どもの教育:帰国子女を受け入れている学校や教育相談の専門機関
  • 税金・資産管理:税理士やファイナンシャルプランナー
  • 行政手続き:行政書士や各市町村の役所

海外の日本人会や帰国者コミュニティ(Facebookグループなど)も貴重な情報源です。特に、実際に本帰国をした人の経験談は、非常に参考になります。専門家の知識と経験者のリアルな声を組み合わせることで、より決断しやすくなるでしょう。客観的な助言を得ながら検討してみてください。

本帰国は「今」と「これから」のバランスで判断を

本帰国のタイミングに「正解」はありません。家族の事情、仕事の区切りなど、考慮すべき要素は人それぞれ異なります。大切なのは「今の生活」と「これからの生活」双方を見据えて判断することです。

帰国の準備には時間がかかるため、思い立ったらすぐに情報を整理して、スケジュールを立てましょう。特に、住民票や課税区分などの行政上のタイミングを意識しておくと、余計な負担を避けられます。自分と家族にとってベストな時期を選び、安心して日本での新生活をスタートできるよう準備を整えてください。

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