一時帰国証明書とは?海外在住者が免許更新時に入手する方法と書き方

海外在住者が日本の運転免許証を更新する際、提出が求められる「一時帰国証明書(滞在証明書)」。住民票がない場合、日本滞在中の住所を証明する書類として必要です。この記事では、一時帰国証明書の概要や入手方法、書き方のほか、ホテルに滞在する場合の対応について詳しく解説します。スムーズに免許更新するために、事前準備を進めましょう。
一時帰国証明書とは
海外に居住している日本人が、一時帰国して運転免許の更新手続きを行う際に必要となるのが「一時帰国証明書」です。まずは「一時帰国証明書」の概要と記載内容について詳しく解説します。
一時帰国証明書の概要

「一時帰国証明書」とは、海外在住の日本人が一時帰国した際に、国内での滞在先住所を証明するための書類です。住民票がない海外在住者の国内住所を証明する重要な役割を果たします。
「一時帰国証明書」に記載された住所での滞在を証明するのは、その住所の居住者や施設管理者です。主に運転免許証の更新や再取得時、住民票の代わりとして提出が求められます。
一時帰国証明書に記載される内容
「一時帰国証明書」には、主に以下の情報が記載されます。
- 証明される人(申請者)の氏名と生年月日
- 日本国内の滞在先住所(滞在予定地)
- 滞在期間(いつからいつまで滞在するか)
- 証明人の氏名、住所、連絡先、申請者との続柄
- 証明書の作成日
- 一時帰国証明書の宛先(例:東京都公安委員会)
一部の都道府県では追加情報(例:海外の居住地や居住開始日など)の記載が求められる場合もあります。自治体によって対応が異なる場合があるため、事前に申請予定の警察署または運転免許センターに確認しましょう。
一時帰国証明書と滞在証明書の違い
「一時帰国証明書」と「滞在証明書」は、本質的には同じ書類を指すことが多く、地域や警察署によって呼び方が異なるだけにすぎません。どちらも海外在住者が日本に一時帰国した際の滞在先を証明するための書類です。
しかし、運転免許センターや警察署によっては、以下のように区別している場合もあります。
- 一時帰国証明書:海外在住の日本人が一時的に帰国している状況を前提とした証明書
- 滞在証明書:日本国内で一時的に滞在している場所を証明する書類。外国籍の人が日本に一時的に滞在している状況でも用いられる証明書
「一時帰国証明書」は日本人の使用が前提なのに対し、「滞在証明書」は、日本に一時的に滞在する外国籍の人も用いる書類です。後者は主に、外国の運転免許から日本の免許への切替え手続きを行う際に提出が求められます。通常はどちらの名称でも受け付けられますが、心配な場合は、手続きを行う前に運転免許センターや警察署に確認しましょう。
「在留証明書」は、海外での居住先を証明するもので、海外在住の日本人が現地の在外公館で取得します。一方、「一時帰国証明書(滞在証明書)」は、日本国内での滞在先を証明する書類で、基本的に証明人が作成します。両者の役割と発行元が異なるため、必要な手続きに応じて適切な証明書を準備しましょう。
一時帰国証明書(滞在証明書)の準備

住民票のない海外在住者が日本で運転免許を更新する際には「一時帰国証明書(滞在証明書)」が必要です。「一時帰国証明書」の入手方法や書き方について詳しく解説します。
一時帰国証明書(滞在証明書)の入手先
「一時帰国証明書」は公的機関が発行するものではなく、滞在先の管理者や家主が作成する書類です。警視庁や都道府県警察のウェブサイトにて、書式をダウンロードできます。事前に滞在先を管轄する都道府県警のウェブサイトを確認し、対応する証明書の書式を入手しておくと安心です。
なお、一時帰国中に複数の場所に滞在する予定がある場合は、免許証に記載を希望する住所(主な滞在先)で証明書を作成します。通常は滞在期間が最も長い場所、または連絡を受け取りやすい場所を記載するのが一般的です。
「一時帰国証明書」には、厳密に定められた公式なフォーマットはありません。必要な情報が記載されていれば、様式は自由です。ただし、各都道府県警察や運転免許センターで推奨する様式や、サンプルを利用することをおすすめします。
一時帰国証明書(滞在証明書)の書き方
「一時帰国証明書」の作成方法は、滞在先によって異なります。家族・親族・知人宅に滞在する場合と、ホテルに滞在する場合に分けて解説するので、チェックしておきましょう。
家族・親族・知人宅に滞在する場合
家族・親族・知人宅に滞在する場合、証明書には以下のとおり記載します。
記載項目 | 書き方 |
申請者の情報 | 一時帰国者(免許更新を行う本人)の氏名、生年月日を記入 |
滞在先の住所 | 滞在先の住所(免許に記載される住所)を番地や建物名まで記入 |
滞在期間 | 上記の住所に滞在する期間を記入 |
証明人の情報 | 滞在先の家族・親族・知人の氏名、住所、連絡先の電話番号を記入 |
申請者の関係 | 証明人と申請者の関係(例:父、母、兄、姉、友人など)を記入 |
家族・親族・知人宅に滞在する場合、証明人は世帯主である必要があります。不動産所有者でも、実際に記載した住所に住んでいなければ証明人になれないので注意が必要です。
ホテルに滞在する場合
運転免許の更新時に宿泊先を住所にする場合、ホテル・旅館の住所がそのまま免許証の住所となるため、事前に了承を得ておく必要があります。宿泊先から許可を得た場合には以下のとおり記載し、宿泊先の社判・社印を押印してもらいましょう。
記載項目 | 書き方 |
申請者の情報 | 一時帰国者(免許更新を行う本人)の氏名、生年月日を記入 |
滞在先の住所 | 滞在先のホテル・旅館の住所を記入 |
滞在期間 | 滞在先のホテル・旅館への宿泊期間を記入 |
証明人の情報 | 滞在先のホテル・旅館の社判・社印を押印 |
申請者の関係 | 「支配人」と記入(氏名には滞在先ホテルの支配人名を記入) |
ただし、免許更新のための「一時帰国証明書」の発行には対応していないホテル・旅館もあるため、予約前に確認が必要です。一部のホテルでは、証明書の発行に手数料がかかる場合があります。トラブルを防ぐためにも、しっかりと了承を得てから作成を依頼しましょう。
一時帰国証明書(滞在証明書)に添付すべき書類
「一時帰国証明書」を提出する際には、以下の書類が必要となる場合があります。
- 証明人の住所を確認できる身分証明書(運転免許証など)のコピー
- 証明人が世帯主であることが確認できる書類(住民票の写しなど)
- 注)家族・知人宅に滞在する場合のみ必要
- 証明人の追加確認書類(賃貸契約書、登記簿など)のコピー
- 注)滞在先の住所と証明人の住所が異なる場合のみ必要
なお、滞在先をホテル・旅館などの宿泊先にする場合、基本的に支配人の身分証明書の提出は不要です。しかし、一部の都道府県警察は運転免許センターでは、支配人の名刺のコピーが必要な場合もあります。事前に申請予定の運転免許センターに確認し、書類に不備がないように準備しましょう。
一時帰国証明書の提出における注意事項
運転免許を更新するために「一時帰国証明書」を提出する場合、いくつかの重要な注意点があります。後のトラブルを避けるために、注意すべき点を十分に理解しておきましょう。
運転免許証に記載される住所
「一時帰国証明書」に記載した住所は、更新後の運転免許証に記載されます。次回の更新連絡はがきなども証明書に記載された住所に届くため、確実に受け取れる住所を選ぶことが重要です。一時的な滞在先の場合、郵便物の転送や受け取りについて事前に対策を取っておく必要があります。
虚偽の記載をした場合の対応
虚偽の記載が発覚した場合、免許の取り消しや罰則の対象となる可能性があるため、正確かつ誠実な情報提供が求められます。虚偽の住所情報に基づいて更新された運転免許証は、後に虚偽が発覚した場合に無効となる可能性もゼロではありません。不明点がある場合は、事前に運転免許センターに相談することをおすすめします。
一時帰国証明書に関してよくある質問(Q&A)
「一時帰国証明書(滞在証明書)」に関してよくある質問をまとめました。
- Q1.更新前の住所と滞在先が同じ場合も証明書が必要ですか
海外在住で日本に住民票がない場合、以前の免許証に記載されている住所(日本国内の住所)と同じ場所に滞在する場合でも、通常は一時帰国証明書が必要です。ただし、一部の運転免許センターでは、更新前の住所と滞在先が同じ場合、追加の確認や簡易的な証明で済ませることもあります。更新予定の運転免許センターに電話で確認することをおすすめします。
- Q2.一時帰国証明書は手書きでもよいですか
はい、一時帰国証明書は手書きでも問題ありません。パソコンで作成したものでも手書きのものでも、必要事項が明確に記載されていれば有効です。ただし、手書きで作成する場合は、読みやすい文字で丁寧に記入しましょう。
- Q3.滞在先をホテルにした場合のデメリットはありますか
更新後の免許証にはホテルの住所が記載されるため、後日郵便物などが送られてきた場合に受け取りが難しくなる可能性があります。警察署が滞在先に電話で確認をする場合もあるため、タイミングによっては対応できない場合もあるでしょう。可能な限り、家族や知人宅などを滞在先とするほうが、長期的な対応がしやすくなります。