一時帰国

ジャパンレールパスの利用に必要な「在留届の写し」を取得する方法

live-abroad

海外在住者がジャパンレールパスを利用する際に必要な「在留届の写し」。海外に長期で滞在していることを証明するために提示が求められる書類です。この記事では「在留届の写し」を取得する方法と必要書類、登録内容の変更方法について詳しく説明します。

「在留届の写し」とは

海外在住の日本人が、ジャパンレールパスを購入・利用する際に必要な書類の一つが「在留届の写し」です。まずは、ジャパンレールパスの利用にあたり「在留届の写し」が必要な理由について解説します。

「在留届の写し」とは海外での長期滞在を証明する書類

「在留届の写し」とは、在外公館(大使館や総領事館)に提出した在留届の内容を証明するもので、正式な公的書類として扱われます。「在留届」は、海外に3か月以上滞在する場合に提出が義務付けられている書類です。「在留届の写し」があると、海外に在住していることと在留期間などを証明できます。

あわせて読みたい
在留届は必要?提出しておくべき4つの理由とは
在留届は必要?提出しておくべき4つの理由とは

ジャパンレールパスの利用に「在留届の写し」が必要な理由

海外に居住する日本人がジャパンレールパスの利用時に「在留届の写し」が必要なのは、パスポートだけでは滞在国の在住証明が難しいためです。在留届をもとに発行される「在留届の写し」があると、現在滞在している国と滞在期間を確認できます。

ジャパンレールパスは、日本に居住していない外国人旅行者を対象とした特別割引切符のため、原則として日本に住民票がある人は利用できません。しかし、海外に10年以上長期滞在している日本人が一時帰国する場合は、例外としてパスの利用が認められています。駅係員に「在留届の写し」を提示することで、一時帰国中であることの証明が可能です。

在住期間を確認する方法

在留期間は「在留届の写し」の上部に記載のある「受付日付」で確認されます。ジャパンレールパス引換証の購入日を基準とした場合、受付日付が10年前の同じ月以前だと有効です。

たとえば、引換証の購入日が2025年4月10日の場合、受付日付が2015年4月以前(4/1~4/30は4月とみなす)だと、滞在期間が10年以上だと判断されます。

在留届の写し」を取得する方法

「在留届の写し」を申請する方法と必要書類について解説します。申請前には登録内容に間違いないかどうかも確認しておきましょう。

在留届の登録情報が最新かどうかを確認

「在留届の写し」を申請する前に、まず自分の登録情報に間違いがないかを確認しましょう。引っ越しや連絡先の変更があるにも関わらず情報が更新されていない場合、写しの発行がスムーズに進まない可能性があります。

オンライン在留届サービス「ORRネット」で登録した場合、ネット上で簡単に登録情報の確認や修正が可能です。書面で「在留届」を提出した場合は、居住地を管轄する在外公館で確認できます。書面で提出していると「ORRネット」では登録情報の確認・修正ができないので注意してください。

在外公館の窓口か郵送で「在留届の写し」を交付申請

「在留届の写し」は、現地の在外公館に申請して交付を受けます。申請方法は、窓口での直接申請と郵送での申請の2通りです。急ぎの場合は窓口での申請がおすすめですが、郵送対応も柔軟に行っている在外公館が多いため、自分の居住国の対応方法を確認しましょう。

在外公館での申請方法

大使館や総領事館の窓口での申請は、本人が直接出向いて手続きを行います。必要書類を持参し、申請用紙に記入して提出しましょう。申請時に必要な書類は以下のとおりです。

必要書類本人のみ申請同居家族も申請
在留届の写し交付申請書◯(代表者1部のみ)
パスポート(原本)◯(申請者全員 ※2)
現住所を確認できる書類(※1)△(必要な場合あり)
個人情報提供に関する同意書△(家族が来館しない場合に必要)
※1:外国人登録証、居住国発行の自動車運転免許証、公共料金の請求書(6か月以内)など
※2:パスポートの署名が代筆である未成年者の場合、本人の来館が必要な場合あり

書類に不備がなければ、即日または数日以内に交付されます。ただし、混雑状況や管轄地域によって対応が異なるため、事前に予約の必要があるか、公式サイトで確認しておくと安心です。

郵送での申請方法

郵送で申請する場合は、申請用紙に必要事項を記入のうえ、必要書類とともに郵送します。「在留届の写し」の返送先は、在留届に登録されている住所のみ有効です。必ず「在留届」の登録内容を確認してから申請しましょう。郵送時に必要な書類は以下のとおりです。

必要書類本人のみ申請同居家族も申請
在留届の写し交付申請書◯(代表者1部のみ)
パスポートのコピー◯(申請者全員分)
現住所を確認できる書類のコピー
(※1)
個人情報提供に関する同意書
返信用封筒
(氏名・住所表記、切手貼付)
◯(1枚のみ)
※1:外国人登録証、居住国発行の自動車運転免許証、公共料金の領収書(6か月以内)など

申請に必要な書類は在外公館によって異なる場合があります。とくに、現住所を確認できる書類は、提出先の大使館または総領事館に確認してから申請すると安心です。通常は書類の受理から発行・返送までに数日から1週間程度かかるため、余裕を持って申請してください。

「在留届の写し」の交付申請時の注意点

申請にあたっては、登録内容が最新であることに加え、本人確認書類のコピーが鮮明であることや、記入漏れがないことも重要です。郵送申請では紛失リスクを避けるため、追跡可能な郵送方法を選びましょう。とくに年末年始や祝祭日前後は処理が遅れやすいので、時間に余裕を持って出発の3週間前には申請することをおすすめします。

 参考:外務省「ジャパン・レール・パスを利用するために
参考JAPAN RAIL PASS

在留届の写しに記載される内容

在留届の写しには、在外公館に登録された在留情報がそのまま反映されます。主な記載内容は以下の通りです。同居家族も申請した場合は、代表者(申請者)の下にまとめて記載されます。

  • 氏名(漢字・ローマ字)
  • 生年月日
  • 本籍
  • 職業
  • パスポート番号
  • 在留地の住所(滞在国・都市)
  • 受付日付(在留届の提出日)
  • 到着日(在留地への到着日)
  • 連絡先(電話、携帯電話、メールアドレスなど)
  • 在留地の緊急連絡先(本人以外)
  • 日本国内の連絡
  • 同居家族の情報(申請者との関係含む)※申請した場合のみ

「在留届の写し」に記された情報をもとに、居住国での生活実態が確認されます。ジャパンレールパスの購入にあたっては、在留地の住所と受付日付(在留届の提出日)の記載をもって「10年以上の在住歴がある一時帰国者」という証明が可能です。内容に誤りがあると無効になる恐れがあるため、取得前に在留届の登録情報を必ず確認しておきましょう。

在留届の写し以外で在住証明ができる書類

「在留届の写し」のほかにも、ジャパンレールパスの利用に使える書類があります。代替書類となるのは「在留証明書」と「永住カード(一部の国のみ)」の2つです。

在留証明書

「在留証明書」は申請者が現地に居住している事実を証明する正式な文書で、公的手続きによく利用されます。申請者の氏名や生年月日、本籍地のほか、住所を定めた月日(在留開始日)や現住所が明記されており、ジャパンレールパスの購入時にも有効です。

「在留届の写し」と同様、「在留証明書」も、領事館や大使館などの在外公館で発行できます。ただし、発行手数料として1,200円相当(現地通貨)がかかり、家族で申請する場合には個別の申請が必要です。「より正式な証明書が欲しい」「ほかの目的でも使いたい」という場合に「在留証明書」の発行をおすすめしま

永住カード

居住国の永住権を取得している場合は、永住カードを提示することで、現地に在住していることを証明できます。ジャパンレールパスの申請時に使えるのは、以下の国で発行されている永住カードです。

  • カナダ:PERMANENT RESIDENT CARD
  • 米国:PERMANENT RESIDENT CARD
  • ブラジル:CARTEIRA DE REGISTRO NACIONAL MIGRATÓRIO(新様式)/CÉDULA DE IDENTIDADE DE ESTRANGEIRO(旧様式)

ただし、駅係員の判断によっては、長期的に居住している証拠になる追加書類の提出が求められることもあります。念のため「在留届の写し」や「在留証明書」とあわせて提示すると、よりスムーズに手続きできるでしょう。

在留届の登録内容を変更する方法

引っ越しや連絡先の変更があった際には、在留届の内容を更新する必要があります。在留届の登録内容を変更する手順も確認しておきましょう。

オンライン在留届で情報を更新

外務省の「オンライン在留届(ORRネット)」を利用すれば、インターネット上で簡単に登録情報の変更が可能です。ログイン後、住所や電話番号、家族構成などの情報を更新でき、登録完了後すぐに新しい内容が反映されます。

オンラインでの更新は24時間いつでも可能で、特に時間の取れない方や遠方にお住まいの方にとって非常に便利です。安全対策も施されているので、安心して利用できます。

在外公館の窓口にて申請

書面で在留届を提出した場合は、在外公館の窓口で変更申請ができます。窓口での申請時は、本人確認書類(パスポートなど)と、変更後の情報が確認できる資料(新しい住所の証明など)などが必要です。職員と直接やり取りできるため、登録内容に関する不明点や特別な事情がある場合にも柔軟に対応してもらえます。

なお、基本的に書面で提出された在留届は、オンライン上(ORRネット)で変更ができません。オンライン上で修正したい場合は、新たに「オンライン在留届」に登録する必要があります。新たに届け出ると在留開始日(在留届の受付日時)がリセットされてしまうため、在外公館に問い合わせて日付を反映させてもらいましょう。

在留届の写しに関してよくある質問(Q&A)

在留届の写しに関してよくある質問をまとめました。

Q
Q1. オンライン(ORRネット)で「在留届の写し」を取得できますか

オンライン在留届(ORRネット)では「在留届の写し」を取得できません。在留届をオンラインで提出している場合でも「写し」が必要な場合は、居住国の日本大使館や総領事館などの在外公館に申請する必要があります。郵送で対応できる場合もあるので、事前に問い合わせてみましょう。

Q
Q2. 「在留届の写し」はどのくらい前に申請すればよいですか

在外公館によって発行までの日数が異なりますが、通常は即日~数日で発行されます。ただし、繁忙期や郵送対応の場合は1週間以上かかることもあるため、余裕を持って一時帰国の2〜3週間前には申請しておくと安心です。交付から6か月以内であれば、ジャパンレールパスの引き換えに使用できます。

Q
Q3. 日本への一時帰国中に「在留届の写し」を申請できますか

「在留届の写し」は、現地の在外公館(日本大使館・総領事館)でのみ発行される書類のため、日本国内では原則として申請・取得できません。一時帰国中には現地の公館にも申請できないため、必ず出発前に現地で取得しておきましょう。忘れてしまうとジャパンレールパスの引換に支障が出る恐れがあります。

Q
Q4. 在留届の写しを紛失した場合、日本国内で再発行できますか

在留届の写しは、日本国内の市区町村や官公庁では再発行できません。発行元である在外公館に再度申請する必要があります。一時帰国中に紛失した場合、現地に戻るまで再取得できないため注意が必要です。重要書類としてコピーを取り、予備を準備しておきましょう。

Q
Q5. 在留届の写しは、消費税の免税購入にも使えますか

「在留届の写し」は、一時帰国者が日本国内で消費税免税の買い物をする際の証明書類にはなりません。免税購入時の証明に使える書類は「在留証明書」か「戸籍の附票の写し」のみです。一時帰国時に免税購入をしたい場合は、事前に用意しておきましょう。なお「戸籍の附票の写し」は、日本への入国後でも本籍地にある市区町村の役所で取得できます。

記事URLをコピーしました